より良い治験と未来のために、臨床試験支援センターは、医療の向上に貢献します。

業務趣旨

 21世紀に入り、世界的規模での高齢化社会を迎えている昨今、国民の総意として精神的な安定および健康に対する期待が高まってきています。しかしながら、健康意識は高いものの、高齢化に伴い、多くの生活習慣病予備軍および各種疾患も増加しています。新医薬品の開発あるいは新しい治療法の確立に目をむけると、平成9年にGCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)が薬事法下において施行された後、我が国における新医薬品の開発は著しい低迷時期を過ごしてきました。その後のGCPの改訂に伴い、治験の空洞化といわれた時代はありましたが、治験および臨床研究は増加の傾向にあるといえます。しかしながら、GCP規制により遵守すべき事項が増加し、製薬会社あるいは治験実施施設は治験及び臨床研究において過大な費用を必要としているのが現状です。  この様な社会的背景により、我が国における治験は緒外国に比し、時間と費用がかかり過ぎるという批判に曝されています。この様な状況を打開するために、厚生労働省も2008年度に治験、臨床研究あるいはトランスレーショナルリサーチ(TR)に対する支援を打ち出しています。革新的医薬品あるいは医療機器等に関する臨床研究が進められ、癌、希少疾患、精神疾患、テーラーメード医療あるいは再生医療等の治療法の開発推進がはかられ、適切なバイオマーカーの開発に伴い、各種疾患の早期診断が可能になり、早期診断、早期治療の体制が確立されてくるものと考えられます。治験および臨床研究を推進するため、中核病院を中心とした医療クラスターの整備も進められ、治験および臨床研究の専門的教育の充実、治験コーディネーターの配備等も積極的に推進され、世界同時開発に耐えうる共同研究の基盤強化に向けて、日米欧3極の連携強化、更に日中韓の連携による、治験データの相互活用推進も図られています。更に我が国では審査機構の人員の増強による治験審査体制の迅速化、質の向上も期待されています。また、2008年度より、中央治験審査委員会(セントラルIRB)を非営利活動法人(NPO)に設置することが可能となり、クリニックを中心とした生活習慣病あるいは腎臓病等の慢性疾患に対する治験に関する手続き上の簡素化および効率的な実施が可能になりました。  私どもは、テーラーメード医療、再生医療、移植医療、TRおよび生活習慣病の早期診断ならびに治療あるいはアジア間での共同試験等、治験および臨床研究において、当NPO内にセントラルIRBを設置し、倫理的、科学的妥当性の評価を適正かつ迅速な対応ができる体制を整備し、これらの治験および臨床研究の実施を少しでも早く、効率的に推進できるように進めたいと考えています。また、提案型の臨床研究の実施、治験の支援、治験および臨床研究に関わる教育研修の実施等を目標に、国民の医療、福祉に貢献するNPO法人臨床試験支援センターを設立します。

CEO

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